「離婚することになりそうで……お金のことが何もわからなくて不安です」
このような状況で相談にいらっしゃる方に、私は「まず権利を知りましょう」とお伝えしています。離婚は感情的に辛い局面ですが、お金の問題は冷静に、正確に把握することが大切です。
財産分与とは
結婚期間中に夫婦が協力して築いた財産は、名義に関わらず原則として2分の1ずつ分け合えるのが財産分与の基本です。
対象になるもの:預貯金、不動産(自宅)、車、株式・投資信託、退職金(将来受け取る予定のものも含む場合がある)、婚姻期間中に積み立てた生命保険の解約返戻金など。
対象にならないもの:結婚前からの財産(特有財産)、親からの相続・贈与で受け取った財産。
自宅(持ち家)がある場合は特に注意
住宅ローンが残っている自宅をどうするかは、最も複雑な問題の一つです。売却して分け合うか、どちらかが住み続けるか。ローンの名義と不動産の名義、ローン残債と資産価値のバランスを整理する必要があります。
「家に住み続けたい」という場合でも、ローンの名義変更は金融機関の審査が必要で、簡単にはいかないことがほとんどです。
年金分割も忘れずに
婚姻期間中の厚生年金記録を夫婦間で分割できる制度が「年金分割」です。
・合意分割:双方の合意または裁判所の決定で分割割合(最大2分の1)を決める
・3号分割:2008年4月以降の婚姻期間について、第3号被保険者(主に専業主婦)側から請求すると自動的に2分の1に分割
年金分割は「離婚後2年以内」に手続きが必要です。見落としがちなので注意してください。
話し合いが難しい場合は専門家に
財産分与・慰謝料・養育費・親権——これらを一度に決めなければならない離婚協議は大きな負担です。話し合いがまとまらない場合は、弁護士や調停の活用を検討してください。FPは財産の整理や老後の生活設計のアドバイスができますが、法的な手続きは弁護士が専門です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融・税務・法律アドバイスではありません。詳細は税理士・弁護士・FP等の専門家にご相談ください。税制・制度は改正される場合があります。
