「先生、お金さえあれば幸せになれますよね?」

FP相談をしていると、よくそんな言葉を聞きます。年間300件近くの家計相談に向き合ってきた私ですが、正直に言うと——半分は本当、半分はそうでもない、というのが実感です。

お金が増えても、幸せが追いかけてくるとは限らない

世界中の研究で繰り返し示されていることがあります。生活を安定させるための収入ラインに達するまでは、確かにお金と幸せは比例する。でも、ある一定の水準を超えると、収入が増えても幸福度はあまり上がらなくなってくる。

「年収1,000万円になったのに、なんか全然ゆとりを感じない……」とおっしゃる方が、私の相談者の中にも少なくありません。お金の問題を解決しただけでは、心の豊かさは追いかけてこないんですよね。

幸せに「効く」お金の使い方がある

研究が面白いのは、何にお金を使うかで幸福感がかなり変わるという点。「モノを買うより体験に使う方が、幸せが長続きする」というデータが世界中で出ています。

旅行、家族との食事、憧れのコンサート。一時のことだと思いきや、「あのとき楽しかったな」という記憶は何年も残る。それに比べて、奮発して買った家電の満足感って、意外とすぐ薄れませんか?(笑)

さらに、誰かへのプレゼントや寄付など「自分以外のため」のお金の使い方も、じわじわと幸福感を高めることが示されています。

「時間を買う」という発想、持っていますか?

相談者さんによくお伝えすること——それが時間を買うお金の使い方です。家事代行、宅配サービス、時短家電。これらを使って、家族との時間や自分の休息に充てる。

「そんな贅沢できません」と遠慮される方も多いですが、時間のゆとりは人生の豊かさに直結します。特に子育て中の共働きご夫婦には、ぜひ検討してほしいと思っています。

一番の近道は「お金の不安を消すこと」

「お金が増えることより、お金の不安が消えることの方が、幸福感への影響が大きい」

緊急予備資金を作る、老後の見通しを立てる、保険を整理する。地味に聞こえるかもしれませんが、この一つひとつの積み重ねが、毎日の安心感に変わっていきます。「最近、お金のことが頭から離れない」という方は、ぜひ一度FPに話してみてください。不安の正体がはっきりするだけで、ずいぶん楽になりますよ。

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